喪中時の年賀状の代わり

お正月は一年の始まりを日本中、世界中で祝うおめでたい日ですが、身内に不幸があった場合はそうはいきません。

お正月というおめでたい時だからこそ悼み慎み喪に服さなければなりません。それがいわゆる喪中です。

喪中ではお正月をめでたく派手に迎える事を避け、通常お正月を迎えるにあたり準備する一切を控えるのが日本のしきたりとなっています。

もちろん、年始の挨拶である年賀状もそのひとつです。

では喪中は年始の挨拶ができないのでしょうか?そんな疑問を解決すべく、喪中に年賀状の代わりになるもがないのか、また、喪中の挨拶に関する注意点やマナーにはどんなものがあるのか調べてみました。

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喪中時の年賀状の代わりについて

年賀状は新年の挨拶として用いますが、喪中では控えるのが通例です。

年賀状のほかにも正月飾りやお正月料理、初詣といったお祝いムードなものは控え、行動を慎むのが喪中なのです。

では、毎年年賀状を出している人は喪中の場合どうすればよいのでしょうか?

年賀状は出せなくても、代わりに出すものとしてどのようなものがあるのでしょうか?!

一般的に多いのが喪中ハガキです。

喪中ハガキは11月から12月中旬位までに喪中のため年賀状を出すことができないという事を知らせるために出すものです。

ほかにも年が変わってから年賀状代わりに送るものとして、寒中見舞い、余寒見舞いがあります。

それぞれどういったものかみてみましょう。

寒中見舞い

もともと寒中見舞いは、季節の挨拶状でした。

夏に出す暑中見舞いと同じようなものですね。

最近では年賀状を出せる期間とされる1月7日(松の内)が過ぎて、1月20日頃(大寒)~2月3日(節分)までに送る挨拶状が寒中見舞いです。

喪中が絡んだ場合、年賀状の代わりとしての年始の連絡手段として寒中見舞いが使われます。

喪中の当事者も使えますし、喪中の人に連絡したい人も出す事が出来ます。

具体的にどのようなシーンで出されるのか、文例とともにご紹介します。

【喪中ハガキの返信】

喪中ハガキをもらったら年賀状としては出せませんが、寒中見舞いなら出せますので連絡を取ることができます。

喪中ハガキは基本的に返信不要ですが、寒中見舞いを使って返信するとより丁寧です。

(文例1)

寒中お見舞い申し上げます。

このたびはお忙しい中ご服喪のご連絡を頂戴し誠に恐縮です。

御尊父様の逝去を心よりお悔やみ申し上げます。

日ごとに寒さが募る時期ですので お体を大切にお過ごしください。

【喪中なのに年賀状を出したお詫び】

知らずに年賀状を出した後に喪中を知った場合や、うっかり喪中ハガキをもらっていたのに年賀状を出してしまった場合などは、寒中見舞いで連絡できます。

手違いで年賀状を出してしまった際には、寒中見舞いでその旨お詫びをするのが良いでしょう。

(文例2)

寒中お見舞い申し上げます。

このたびはご服喪中と存じ上げず 年始状を差し上げ申し訳ありませんでした。

お力落としのことと存じますが、お体ご自愛ください。

本年も相変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い致します。

【喪中に届いた年賀状の返信】

喪中ハガキを出しても、年賀状が届くケースもあります。そんな時には年賀状は返せませんが、寒中見舞いで返信することができます。

(文例3)

寒中お見舞い申し上げます。

昨年○月に(続柄)を亡くし、年末のご挨拶を控えさせて頂きました。

お知らせが行き届かず誠に申し訳ございませんでした。

日ごとに寒さが募る時期ですので お体を大切にお過ごしください。

余寒見舞いについて

余寒見舞いとは、立春(2月4日頃)を過ぎて出す季節の挨拶状です。

季節の挨拶状という点では、暑中見舞いや寒中見舞いと同じようなものですね。

寒中見舞いに間に合わなかった場合、余寒見舞いとして出すことができます。

寒中見舞いと違い余寒見舞いには期限はありませんが、文字通り寒い時でないとおかしくなってしまいます。

2月中か遅くとも3月上旬までに出すようにしましょう。

例文としては寒中見舞いとほぼ同じですので、あとは誰へ送るのか等によって文面を変えながら心をこめて書く。

寒中見舞い、余寒見舞いは年賀状の返礼としても使えますが、間違っても年賀状を使うことは止めておいて下さい。

年賀状を返そうと作成していたが、1月7日まで間に合わなかった、という方もいるかもしれませんが、その際でも年賀状の使用はタブーです。

間違っても年賀状が余った、という場合でも使用しないようにしましょう。

喪中ハガキに関するマナーや困った時の対処法

ここでは、喪中ハガキについての守るべきマナーや注意点、こんな時どうすれば?!といった場合の対処法についてまとめました。

【喪中ハガキのデザイン・切手】

喪中用のハガキ専用というものはなく、通常ハガキの中で胡蝶蘭が描かれたものを喪中用のハガキとして使用します。

通常ハガキの扱いなのでハガキとしても使用できますが、イメージ的に通常の他の用途としての使用はしない方が無難です。

私製はがきを使用する場合は、喪中用の切手、弔辞用切手を使用します。

慶弔用の切手は種類が少なく、普通切手の花文様のみが弔事用として使用できます。

こちらも通常切手でも使用することはできますので、どうしてもという場合は地味な色合いのものを使用して失礼のないようにしましょう。

ハガキも切手も、寒中見舞いや余寒見舞いにも利用できます。

【喪中ハガキが間に合わない場合】

ご不幸のタイミングによっては喪中ハガキが間に合わない!といったケースも出てきますよね。そんな場合はどう対処すればよいのでしょうか?!

そもそも喪中ハガキは、不幸があり年始の挨拶である年賀状を送れないという連絡をするためのハガキです。

既に年賀状を出してしまっていた場合は、喪中ハガキを送る必要はないという事になります。

とはいえ、やはり喪中なのに御祝の挨拶である年賀状は・・・と抵抗がある場合は、郵便局へ「取り戻し請求」をする事で、一度出した年賀状を取り戻せる場合もあります。

ただ、既に配布していたり、タイミングによってはできない場合がありますので、まずは郵便局へ問い合わせが必要です。

取り戻せた場合は既に年賀状を投函できる日程という事になりますので、その場合に送付するのは喪中はがきより寒中見舞いが良いでしょう。

年末中なら喪中ハガキでも問題ありませんが、先方が既に年賀状を出しているという場合も多いので、年明けに寒中見舞いを送付し、年賀状を受け取った旨の連絡とともに喪中を知らせるようにしましょう。

【喪中ハガキを出してない相手からの年賀状への対応】

喪中ハガキは通年年賀状を出す方にお知らせするものですが、何らかの理由で喪中ハガキを出していない方から年賀状が届く場合があります。

そんな場合は、寒中見舞いで知らせるようにします。

年賀状が届いた旨をお知らせするとともに、微妙なタイミングでの喪中だった事を知らせるようにしましょう。

【故人へ年賀状が届いた場合】

亡くなった身内に年賀状が届いてしまった場合、この場合も寒中見舞いでその旨を知らせるようにします。

生前年賀状をやりとりする間柄だったのですから、丁寧な対応をしましょう。

喪中の範囲の疑問 どこまでが喪中の範囲になる?

親族で不幸があった際、どこまでの範囲で喪中として扱われるものなのか、といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?!

一般的に喪中の扱いは、親等によって分けられます。親等とは法的な言い方ですが、どれだけ近しいかという関係性を数字で表したもので、自分と配偶者を0として数えます。

0親等:本人、配偶者
1親等:父母と配偶者の父母、子供(全員)
2親等:本人と配偶者の兄弟や姉妹、その配偶者、祖父母、孫
3親等:本人と配偶者の曾祖父母、伯叔父母とその配偶者

一般的には2親等までが喪中とされますが、もちろん3親等でも喪に服することは問題ありません。

また、逆に親等としては近しくても、付き合いがないからといった理由で年賀状を書くような方もいます。その辺りに関しては明確な決まり等はありません。

年賀状の他にも、親等は会社等の忌引き休暇の判断として用いられます。

親等によって忌引き休暇として認められる日数が異なったりしますので、それぞれ確認が必要です。

まとめ

年始の挨拶として用いられる日本の文化、年賀状。年賀状だけのお付き合いの人もいるかもしれませんが、お互いの近況の報告や元気な便りに年賀状を楽しみにしている人も多いのではないかと思います。

喪中ではそうした挨拶ができない、と思っていた方も他の方法がこれだけあるという事を知っていただき、故人を偲ぶ意味でも活用していただければなと思います。

また、こうした慣れない状況だからこそ知らないマナーやしきたりも多いので、しっかり調べて失礼の無いように心がけましょう。

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